シリーズ最新医学講座・Ⅱ 耐性菌の基礎と臨床・7
主として市中感染で問題となる耐性菌・1
肺炎マイコプラズマ(臨床編)
成田 光生
1
Mitsuo NARITA
1
1札幌鉄道病院小児科
キーワード:
マクロライド
,
サイトカイン
,
免疫応答
Keyword:
マクロライド
,
サイトカイン
,
免疫応答
pp.927-931
発行日 2006年8月15日
Published Date 2006/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100694
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はじめに
肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae,以下単にマイコプラズマ)の薬剤耐性菌に関しては,現在野生でその存在が証明されているのは23SリボソームRNAの点突然変異を耐性機構とするマクロライド-リンコサミド耐性のみである.そしてマイコプラズマにおいてはその遺伝子型(genotype),すなわち耐性遺伝子変異と表現型(phenotype)すなわち薬剤感受性がよく一致することは,本誌別稿(基礎編)にて述べた.これとは対照的に臨床面では,耐性菌感染による肺炎の経過がとりわけ重症化する傾向は認められていない.本稿では,耐性菌感染の臨床経過を解説するとともに,マクロライド剤の治療効果について考察を加える.なお具体的な解析方法などについては別に報告があるので,詳細は略する1~6).
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