綜説
精神病リスク状態(at-risk mental state)の概説
今村 明
1
,
金替 伸治
1
,
山本 直毅
1
,
船本 優子
1
,
田山 達之
2
,
山口 尚宏
2
,
黒滝 直弘
2
,
小澤 寛樹
1
1長崎大学病院地域連携児童思春期精神医学診療部
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経学
キーワード:
at︲risk mental state( ARMS)
,
精神病様症状体験
,
統合失調症
,
自閉スペクトラム症
,
解離症
Keyword:
at︲risk mental state( ARMS)
,
精神病様症状体験
,
統合失調症
,
自閉スペクトラム症
,
解離症
pp.679-686
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000061
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近年,統合失調症をはじめとしたpsychosis への移行が危ぶまれる状態を,「精神病リスク状態at︲risk mental state( ARMS)」と呼ぶことが増えており,それについて盛んに研究報告がなされている.ARMS は「脆弱性グループ」「減弱精神病グループ」「短期間間欠型精神病症状グループ」の₃ つのグループで構成される.ARMS は,必ずしもpsychosis へと移行していくものではないことがわかってきており(移行は₃₀〜₄₀%程度),それ自体に対応を必要とする状態像の一つとして考えられている.ARMS に対しては,まずは心理社会的治療が推奨されるが,早期に薬物療法を開始する場合もある.
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