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Individual At High Risk
広井 正彦
1
1山形大学産科婦人科学教室
pp.145
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205567
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最近,子宮内膜癌(以下内膜癌とよぶ)の発生頻度が増加しているとか,変化がないといわれている。しかし,寿命の延長や診断法の確立などからか,先進工業国ではその発生頻度が増加していることは事実で,アメリカでも黒人9.3に対し白人20.1と白人が約2倍も多くみられている1)。
このように人種的にもその発生頻度が異なるが,アジア人には遺伝的に内膜癌や乳癌の発生率が少ないことが知られている。たとえば日本人では胃癌は北部に多く南部には少ない。鼻や咽喉の癌は中国人に多いが,北から南に行くにつれて増加する。このように人種や環境の差異がまた癌発生の素因を形成していると考えられるが,この関連性を知るにはハワイやカリフォルニアに移住した日本人の二世や三世を調査すると興味がある。Haenszelら2)はこれらを調査し,胃癌の発生率は減少し,腸癌,内膜癌,乳癌の発生率は増加していることを報告している。
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