特集 消化器領域における免疫チェックポイント阻害薬の現状・今後の展望
7 .免疫チェックポイント阻害薬の有害事象と対策(3)免疫チェックポイント阻害薬による神経・筋関連有害事象
関 守信
1
,
中原 仁
1
,
鈴木 重明
1
1慶應義塾大学医学部神経内科
キーワード:
脳炎
,
末梢神経障害
,
重症筋無力症
,
筋炎
,
抗横紋筋抗体
Keyword:
脳炎
,
末梢神経障害
,
重症筋無力症
,
筋炎
,
抗横紋筋抗体
pp.511-518
発行日 2020年4月20日
Published Date 2020/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001142
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
免疫チェックポイント阻害薬による神経・筋関連有害事象は中枢神経から末梢神経,筋に至るまで非常に多彩である.そのなかで,免疫学的機序で起きてくるものとして脳炎,無菌性髄膜炎,末梢神経障害,重症筋無力症,筋炎が重要である.これらの有害事象は比較的まれではあるものの,時に重篤化することがあり適切な診断,管理が非常に重要である.これらの疾患が免疫関連有害事象として発症した場合,臨床像,経過,検査所見が通常と異なることがあり注意が必要である.症状が軽微な場合を除いて,免疫チェックポイント阻害薬を中止し,重症度によりステロイド治療を行うことが推奨されている.ステロイドへの反応性は良好だが,重症例では他の免疫抑制療法を追加することがある.免疫チェックポイント阻害薬の再開については慎重な判断を要する.
Copyright © 2020, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.