Sjögren症候群の神経系合併症

Neurological complications of Sjögren’s syndrome

要旨：Sjögren症候群ではしばしば多彩な神経系合併症を生じ，特に末梢神経障害（ニューロパチー）の頻度が高い。末梢神経障害の病型は，軸索障害型多発ニューロパチー，感覚失調性ニューロパチー，小径線維ニューロパチーなど様々である。中枢神経障害として，主に脱髄性の多発性硬化症に類似した病変を脊髄，脳や視神経に生じることがある。また，筋炎を合併することもある。神経系合併症の種類や末梢神経障害の病型などを踏まえ，副腎皮質ステロイド，免疫グロブリン大量静注療法，免疫抑制薬といった免疫治療が行われることが多い。上下肢のしびれや痛みなどの症状を訴えて，整形外科を受診した患者がSjögren症候群であった，ということは十分に想定される。頚椎症や腰椎症などの整形外科疾患との鑑別のみならず，脳神経内科への相談を適宜検討する。