Japanese
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特集 リハビリテーション医学・医療update
集中治療室(ICU)のリハビリテーション診療における多職種連携の実践
Management of rehabilitation and teamwork in patients undergoing mechanical ventilation in the ICU
幸田 剣
1
,
寺村 健三
2
,
坂野 元彦
3
Ken KOUDA
1
,
Kenzo TERAMURA
2
,
Motohiko BANNO
3
1和歌山県立医科大学,リハビリテーション医学講座
2和歌山県立医科大学附属病院,リハビリテーション部
3和歌山県立医科大学,リハビリテーション・スポーツ・温泉医学研究所
キーワード:
Early mobilization
,
Critically ill patients
,
Mechanical ventilation
Keyword:
Early mobilization
,
Critically ill patients
,
Mechanical ventilation
pp.1097-1105
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003527
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要旨:救急医療・集中治療の進歩により救命率は向上し,それに伴い集中治療後症候群(PICS)の発症を防ぐためにも集中治療期における早期リハビリテーション診療の重要性がますます高まっている。ICU管理中から質の高いリハビリテーション診療の提供と安全管理が求められ,そのためには多職種連携が不可欠である。当院では,全身状態が安定していれば意識障害や人工呼吸管理下でも早期離床を行い,覚醒や身体機能改善を図る。環境調整,自助具,運動を組み合わせ,ADLやQOLの向上を目指す。作業療法士は個別性の高い対応と機器の工夫によって離床を促進する。安全管理として医師主導の全身診察,多職種カンファレンス,継続的モニタリングを徹底し,重症患者の社会復帰を支援する。ICUにおいて急性期からリハビリテーション診療を実践するためには安全性と遂行可能性を両立させるための創意工夫が重要である。これらの多職種連携の実践は,「歩いて帰れる集中治療」の実現に貢献できると考える。

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