Japanese
English
症例
Rommens分類type Ⅲaの高齢者脆弱性骨盤骨折に対するスクリュー固定法の治療成績
Clinical results of screw fixation for fragility fracture of pelvis Rommens classification type Ⅲa
植木 慎一
1
,
山崎 琢磨
1
,
下瀬 省二
1
Shinichi UEKI
1
1国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター,整形外科
キーワード:
Fragility fracture of pelvis
,
Screw fixation
,
Early mobilization
Keyword:
Fragility fracture of pelvis
,
Screw fixation
,
Early mobilization
pp.335-339
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002495
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要旨:近年の超高齢社会の進行に伴い,脆弱性骨盤骨折(FFPs)は著明に増加している。片側腸骨の完全骨折を伴うRommens分類type Ⅲaの転位のある骨折はプレート固定などの観血的整復固定術が行われているが,高齢者には侵襲が過大となる点が否めない。当院では整復は観血的に行うが,侵襲軽減のため内固定はスクリュー固定を頻用しており,その治療成績について報告した。2020年4月以降に当院で手術療法を行ったRommens分類type ⅢaのFFPs 5例を対象とし,後ろ向きに調査した。手術は仰臥位でilioinguinal approachの1st windowを用い,腸骨筋の一部を骨盤内板から骨膜下に剝離して骨折部を指で確認し,患肢を牽引・内旋して整復位を保持した状態で,下前腸骨棘から上後腸骨棘に向けてlateral compression type 2(LC2)screwを2本挿入し,骨折型に応じて恥骨上枝へのスクリュー固定を追加した。男性2例,女性3例で平均年齢は78.8±7.2歳,受傷機転は転倒3例,転落2例であった。術後の車いす離床までの平均日数は2±1.4日で術前と術翌日の平均Numerical Rating Scale(NRS)は安静時平均NRSが術前3.4±1.2から術翌日0.6±0.8に,体動時平均NRSが術前7.6±2.2から術翌日5.6±1.3に改善した。最終的に全例で骨癒合が得られ,元の歩行レベルまで回復した。FFPsに対するスクリュー固定による低侵襲手術においても術後疼痛を改善させ,早期の離床が可能となり,有用な方法と考えられた。
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