臨床栄養とリハビリテーション医学 -―最新のトピックス―

Clinical nutrition and rehabilitation medicine ；recent topics

要旨：超高齢社会において，1974年に提起された「病院のガイコツ」問題，すなわち高齢者の低栄養は，依然として重要な臨床課題である。高齢者の低栄養は，疾患や炎症が複雑に関与し，フレイルやサルコペニアと相互に影響し合う。特に，入院を契機に発症・進行する医原性サルコペニアは，ADL低下や生命予後悪化の大きな要因となる。近年では，低栄養の国際的な診断基準としてGLIM基準が導入され，低骨格筋量が評価項目に含まれるなど，その概念も進化している。効果的な介入には栄養単独では不十分であり，運動療法を組み合わせた「リハビリテーション栄養（リハ栄養）」の考え方が極めて重要である。