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特集 術中脊髄機能モニタリングのUP TO DATE
術中脊髄モニタリングの手術室管理
Operating Room Management of Intraoperative Spinal Cord Monitoring
高谷 恒範
1
Tsunenori TAKATANI
1
1奈良県立医科大学附属病院中央手術部
1Division of Central Operation, Nara Medical University Hospital
キーワード:
術中脊髄機能モニタリング
,
intraoperative spinal cord monitoring
,
コミュニケーション
,
communication
,
安全対策
,
safety measures
Keyword:
術中脊髄機能モニタリング
,
intraoperative spinal cord monitoring
,
コミュニケーション
,
communication
,
安全対策
,
safety measures
pp.139-145
発行日 2023年4月28日
Published Date 2023/4/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202036
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はじめに
脊椎脊髄手術において術後神経機能障害が発生した場合,機能的予後や生活の質を著しく低下させるため,いかに神経障害を出さないかが課題である.したがって,術中に術中脊髄モニタリングを実施し,早期に異常を検出し報告することは,機能予後の改善に最も重要である.
術中脊髄モニタリングにおいて,信頼性の高い誘発電位モニタリングを行うためには,十分な知識と技術,経験が必要で,多職種間での共通の知識や良好なコミュニケーションが必須となる.モニタリング技師の役割は,高精度で信頼性の高い術中脊髄モニタリングを施行することである.
術中脊髄モニタリングの信頼性を高めるには,テクニカルスキルの知識と技術・経験だけでなく,ノンテクニカルスキルとして,コミュニケーション,チームワーク,リーダーシップ,状況認識,意思決定などを情報共有することが最も重要である.術中脊髄モニタリングで波形低下やfree run electromyography(EMG)などが検出された場合の対応は現場に委ねられているが,現場での対応がいまだ不十分である.
世界保健機関では,「安全な手術が命を救う」という取り組みが施行され,2009年「WHO手術安全チェックリスト」が開発されて,多くの国で使用されてきた2,3,8,13,15,16).これらは,チェックリストにチェックを入れることが目的ではなく,チーム全体で情報交換,情報共有を図るということである(図 1).
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