臨床と研究
「手術室チェックリスト」が術後合併症の発生率に与える影響の検討
太田 裕之
1
,
塚山 正市
,
藤岡 重一
,
望月 慶子
,
村上 眞也
,
川浦 幸光
1国民健康保険小松市民病院 外科
キーワード:
大腸疾患
,
術後合併症
,
手術室
,
手術創感染
,
消化器外科
,
発生率
,
術後感染症
,
チェックリスト
,
患者の安全
Keyword:
Operating Rooms
,
Postoperative Complications
,
Digestive System Surgical Procedures
,
Surgical Wound Infection
,
Incidence
,
Checklist
,
Patient Safety
pp.1104-1107
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014038102
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手術室チェックリスト導入前の2011年8月~12月に施行手術(緊急手術を除く)350例と導入後の2012年1~5月に施行の319例を対象に、術後合併症の発生率への影響について検討した。その結果、1)術後30日以内の手術関連死亡は導入前2例(0.6%)、導入後3例(0.9%)で、合併症発生率は導入前7.3%、導入後4.4%といずれも有意差は認められなかった。2)術後合併症のうち術後感染症は手術部位感染と遠隔感染の肺炎の合計でみた発生率はチェックリスト導入前の5.3%から導入後2.2%と有意に減少していた。これはチェックリスト導入により抗生物質投与が執刀前と手術3時間ごとに確実に行われたことが一因と考えられた。以上より、チェックリストを基に手術方法や患者リスクについて手術チームとして情報共有することが、術後合併症の低下につながり得るものと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013