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特集 医療経済からみた整形外科疾患
手の外科領域における手術の費用対効果
Cost-effectiveness analysis in hand surgery
竹上 靖彦
1
,
徳武 克浩
2
,
山本 美知郎
2
,
今釜 史郎
1
Yasuhiko TAKEGAMI
1
,
Katsuhiro TOKUTAKE
2
1名古屋大学,整形外科
2同上,手の外科
キーワード:
Radial distal fracture
,
Elbow
,
Cost-effectiveness
Keyword:
Radial distal fracture
,
Elbow
,
Cost-effectiveness
pp.671-678
発行日 2025年5月1日
Published Date 2025/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003410
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要旨:手の外科領域では,新規デバイスの導入と高齢化に伴う手術数の増加により医療費が上昇している。橈骨遠位端骨折(DRF)に対する掌側ロッキングプレート(VLP)固定への人工骨移植併用と,肘頭骨折に対する改良tension band wiring(TBW)法の有用性を,臨床成績と費用対効果の観点から検討した。多施設後ろ向き研究の結果,65歳以上のDRF 1,735例の解析では,人工骨移植併用による臨床成績の向上は認められず,約5万円の追加費用を要した。また,肘頭骨折63例の検討では,改良TBW法は,ロッキングプレート(LP)固定と同等の臨床成績を示し,初回手術費用で約14万円の削減が可能であった。患者の活動性や骨質を考慮した個別化医療の観点からも,既存手技の適切な選択と工夫が重要である。

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