足の変形をどう診る？

How do you examine and treat foot and ankle deformities?

要旨：足は人体の最も末梢に位置するため，生活様式や環境の影響を強く受け，非常に多岐にわたる病態が存在する。代表的な疾患には，外反母趾，進行性扁平足，変形性足関節症（足関節OA）が挙げられる。外反母趾は，母趾が外側に偏位し，第1中足骨が内反する変形で，靱帯や筋腱の不均衡，幅の狭い靴やヒールの高い靴，遺伝的要因などが関与する。特に女性に多く，進行すると疼痛や歩行障害，胼胝形成をきたすようになる。進行性扁平足は足部縦アーチが低下する疾患で，後脛骨筋腱機能不全が主因となり，距骨の偏位や踵骨の外反を引き起こす三次元的な変形である。早期に治療しないと，変形が進み，OAを合併し，歩行機能が著しく低下する。足関節OAは，関節軟骨の変性・破壊を原因とする慢性疾患で，外傷や炎症が主な誘因である。これらの疾患はいずれも早期診断と適切な治療が重要であり，保存療法や手術療法など多岐にわたる，症状に応じた治療選択が求められる。