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特集 フットケア・足病医療の新時代
足の傷をどう診る?
How do you examine a wound on the foot?
加賀谷 優
1
Yu KAGAYA
1
1杏林大学医学部付属杉並病院,形成外科
キーワード:
Lower extremity wounds
,
Chronic limb-threatening ischemia(CLTI)
,
Preservation of walking ability
Keyword:
Lower extremity wounds
,
Chronic limb-threatening ischemia(CLTI)
,
Preservation of walking ability
pp.337-346
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003340
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要旨:足の傷は他の部位の傷とは異なる特性をもち,通常の創管理ではうまく治癒しない場合がある。足部が体重を支え地面からの反力を受け続けること,身体の最末端のため血流が最も届きにくいこと,衣類や靴で覆われ見逃されやすいことなどが要因となり,特に糖尿病や動脈硬化性疾患などをもつ場合に足の傷は悪化しやすく,治療が複雑化する傾向にある。足の傷は歩行機能に直結し,生命予後を悪化させる要因にもなるため,適切な創管理で歩行を維持することは非常に重要である。近年では包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)という概念が足病医学分野では世界的標準となっている。創傷・虚血・感染を個別にかつ総合的にリスク評価し,これまでの閉塞性動脈硬化症や糖尿病性足病変を包括し,治療介入が必要な下肢を総称する概念である。このCLTIの概念を基本として足の状態を評価し,各項目の重症度に応じて血行再建や感染の解除,除圧などの優先順位を考えてそれぞれを施行し,TIMERS理論やwound hygiene(創傷衛生)の概念を用いて保存的な創面環境の調整を行い,必要に応じて切断や再建手術などの外科的手段を用いて足の傷の治療をしていく。

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