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特集 変形性足関節症の最新の治療
変形性足関節症の病因と病態
Etiology and pathology of ankle osteoarthritis
栃木 祐樹
1
,
垣花 昌隆
1
Yuki TOCHIGI
1
1獨協医科大学埼玉医療センター,整形外科
キーワード:
Ankle osteoarthritis
,
Epidemiology
,
Pathogenesis
Keyword:
Ankle osteoarthritis
,
Epidemiology
,
Pathogenesis
pp.225-231
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002895
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要旨:足関節の変形性関節症(OA)は,全体としての発生率が膝・股関節のOAより低く,特に一次性OAの比率が比較的低い。これには,足関節自体の骨性制動性が高いことや,隣接する距骨下関節と複合体として機能しているために足関節単独の負荷が軽減されるといった,この関節の解剖構造特性が影響していると考えられる。周辺骨折や重症靱帯損傷後に発生する外傷性OAの割合が多いのは,外傷自体による関節面の物理的損傷に炎症性サイトカインによる生物学的損傷が加わった直接(急性)軟骨障害の要因に,骨折変形治癒による関節面形態異常やアライメント異常の遺残に伴う関節メカニクス異常によって関節面が異常負荷に曝され二次性(慢性)軟骨障害が加わるためであろう。一方で,足関節の発達性形成不全によって骨性制動性が低下している場合にも,それ自体が慢性軟骨障害による一次性OAのリスク因子になるだけでなく,軽症捻挫でも外側靱帯損傷が慢性不安定症に移行しやすく,それがOA発生のリスクを高めるためと考えられる。
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