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特集 Musician’s Handをめぐって
音楽演奏家のジストニア
Musician’s dystonia
長谷川 修
1
Osamu HASEGAWA
1
1横浜市立大学名誉教授
キーワード:
Musician’s dystonia
,
Task-specific dystonia
,
Brain plasticity
Keyword:
Musician’s dystonia
,
Task-specific dystonia
,
Brain plasticity
pp.51-56
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003250
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要旨:音楽演奏家ジストニアは,巧緻な演奏時に正しい筋の使い方から外れた些細な癖から始まる。誤った情報を脳に与え続けることにより,脳の筋緊張調節機構に異常をきたしてジストニアの発生につながる。職業性ジストニアではタスク特異性にジストニアが出現するが,繰り返すとジストニアの出現するタスクと出現領域が拡大していく。音楽演奏家は,その発症要因となる高度の巧緻運動を日々行っており,1~2%がジストニアを経験する。ジストニアが出現した場合は,難しい運動は止めて以前の正しい筋の使い方に戻り,そこから再度一段ずつ正しい道をゆっくり上がるとよい。原点から再学習することが,結局は早道と考える。人間の脳には可塑性があり,良い方にも悪い方にも変化の可能性を秘めている。音楽演奏家も,感性と巧緻性を極める段階で脳の使い方を間違えるとジストニアを発症する。
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