Japanese
English
特集 Musician’s Handをめぐって
音楽家の手のリハビリテーション治療
Musician’s hand rehabilitation treatment
尼子 雅敏
1
,
田村 吏沙
1
Masatoshi AMAKO
1
1防衛医科大学校病院,リハビリテーション部
キーワード:
Rehabilitation treatment
,
Overuse
,
Focal dystonia
Keyword:
Rehabilitation treatment
,
Overuse
,
Focal dystonia
pp.57-64
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003251
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要旨:音楽家の手指は,演奏において俊敏かつ繊細な巧緻運動が要求されるため,リハビリテーション治療の目標は高く険しい。円滑なリハビリテーション治療を完遂するには,運動プログラムが演奏手技と乖離せず,音楽家のモチベーションを高めることが重要である。また,演奏復帰に焦りを感じ,過剰に治療や演奏の練習に取り組む傾向があるため,患部の過使用を抑制する必要がある。さらに,楽器特性に合わせた動きが要求され,楽器との適合性を確認しながら治療を進めていく。そもそも,音楽家は常に聴衆を意識し,練習中も演奏会においても精神的な苦痛やストレスを感じており,心理的なサポートを同時に行う。これらの特性を考慮し,適切なリハビリテーション治療を遂行することで演奏復帰が期待できる。しかしながら,フォーカル・ジストニアの治療は容易でなく,特殊なプログラムと心理学的治療を併用した集学的治療を駆使する必要がある。
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