局所麻酔薬の混入と攪拌操作がジクロフェナク結合ヒアルロン酸の股関節内注射の注入時間に与える影響

Efficacy of mixing and shaking procedures of local anesthesia drug to intraarticular injection of the hip using diclofenac combined with hyaluronic acid on the duration of injection

要旨：ジクロフェナクエタルヒアルロン酸Na（DF結合HA）注射はピストンの滑りが鈍く，注入に強い力を要するため注入時間が延長し患者の疼痛が増幅する。本研究の目的はDF結合HAに局所麻酔（局麻）薬を混入し攪拌した場合の効果をみることである。対象は15例の変形性股関節症患者である。同一の医師がDF結合HA単独注射時と局麻薬混入攪拌操作追加時の注入時間を計測した。1例がDF結合HA単独注射後に注射時疼痛のため意識レベルが低下したため脱落した。注射注入時間（14例）はDF結合HA単独（37.7±14.3秒）に比べ，局麻薬混入攪拌後（21.6±3.3秒）では有意に短かった（p＝0.001）。局麻薬には界面活性作用があるため，疼痛の緩和のみならず，攪拌することによってDF結合HA注入時間を短縮すると考えた。