整形外科医による積極的骨転移診療介入（bone metastasis support）前後の脊椎転移手術症例の変化

Comparison between the operation cases for spinal metastasis before and after the bone metastasis support

要旨：整形外科医が放射線科読影医の協力のもと，直接骨転移症例を拾い上げ，原発診療科主治医，放射線科治療医とそれぞれ症例検討を行い，整形外科的診療介入を行う骨転移サポート（bone metastasis support；BMS）を2022年より開始し，その前後で脊椎転移手術症例の変化を調査，検討した。BMS開始後脊椎転移手術は増加したものの，手術適応は画像所見上おおむね妥当であった。またBMS開始後緊急手術症例は減少し，performance status（PS）が良好で歩行可能症例の割合が高まったことから，積極的な症例の拾い上げにより早期の診療介入が図られたと考えた。以前に比し脊椎転移の原発巣はより多岐に及んでいた。BMSの開始，導入により，顔の見える骨転移診療体制の構築がなされつつある。