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特集 整形外科領域におけるリアルワールドデータを用いた研究
DPCデータを用いた脊椎外科領域の観察研究
-—ビッグデータ研究の利点・欠点・注意点—
Observational studies in spinal surgery using diagnosis procedure combination database;advantage, limitation, and attention
本田 哲
1
,
高澤 英嗣
1
,
三枝 德栄
1
,
飯塚 陽一
1
,
筑田 博隆
1
Akira HONDA
1
1群馬大学医学部,整形外科
キーワード:
Spinal surgery
,
Diagnosis procedure combination database
,
Observational study
Keyword:
Spinal surgery
,
Diagnosis procedure combination database
,
Observational study
pp.1547-1552
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001943
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要旨:近年医療ビッグデータの重要性が認識されている。DPCデータは患者基本情報や診療行為明細情報といった多くの患者情報を含んでいる。他国の診療報酬請求データベースと比較して,わが国のDPCデータの利点は,入院時併存症と入院後合併症が区別して入力・登録されていることである。一方,DPCデータには採血結果や画像検査,カルテベースのデータなどは含まれない。これらDPCデータの特徴を踏まえて,脊椎外科領域では,① 希少疾患の記述研究,② 発生頻度の少ない合併症の研究,③ 傾向スコア分析を用いた質の高いアウトカム比較研究などが本邦より報告されている。特に③ に関しては,傾向スコア分析などの統計手法を適切に応用することで,これまでランダム化比較試験の実施が困難であった研究テーマを解決できる可能性がある。今後も医療ビッグデータの特徴・強みを生かした,よりエビデンスレベルの高い研究が期待される。
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