Japanese
English
研究と報告
初老期抑うつ患者の血清Coenzyme Q10
Serum Coenzyme Q10 in Elderly Patients with Depression
田代 信維
1
,
太田 幹夫
2
,
荒木 隆次
2
Nobutada Tashiro
1
,
Mikio Ohta
2
,
Ryuji Araki
2
1九州大学医学部神経精神医学教室
2産業医科大学精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kyushu University
2Department of Psychiatry, School of Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
Coenzyme Q10
,
Depression
,
Elderly patients
Keyword:
Coenzyme Q10
,
Depression
,
Elderly patients
pp.1189-1196
発行日 1984年11月15日
Published Date 1984/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203851
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抄録 45歳から65歳の間に初発したうつ病:大うつ病9例,非定型うつ病6例,異常気質病4例と抑うつ気分を伴う適応障害3例,計22例について血清Coenzyme Q10(CoQ)とハミルトンの抑うつ評価点(HRS)を調べた。
CoQとHRSとの間に有意の負の相関がみられ,特に活動力の減退を表わす評価点との相関が高かった。また大うつ病と非定型うつ病ではCoQが低値を示し(I群),異常気質病と適応障害ではCoQは正常値範囲内にあり(II群),2群に大別された。両群とも血清総蛋白が低く,さらにI群では貧血が,II群では体重減少の訴えが他群に比し有意に高率にみられた。両群での合併症出現はほぼ同率であった。以上よりI群にみられるCoQ低値は慢性化した食思不振に基づく栄養障害によることが,またcoQ欠如で起こる活力減退の諸症状を抑うつ症状の一面として評価している可能性が示唆された。
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