Japanese
English
臨床
高齢者骨盤骨折患者の下肢深部静脈血栓症の発生に関する検討
Incidence of deep vein thrombosis in elderly patients with pelvic fractures
吉田 圭佑
1
,
森本 政司
1
,
竹上 謙次
1
,
友田 良太
1
,
川喜田 英司
1
,
海野 宏至
1
Keisuke YOSHIDA
1
1済生会松阪総合病院,整形外科
キーワード:
Pelvic fracture
,
Deep vein thrombosis
,
Elderly patients
Keyword:
Pelvic fracture
,
Deep vein thrombosis
,
Elderly patients
pp.1539-1544
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001103
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要旨:高エネルギー外傷である若年者の骨盤骨折は静脈血栓塞栓症(VTE)の発生リスクが高いとされているが,低エネルギー外傷で生じた高齢者の骨盤骨折と同列に扱うことについては疑問がある。今回,保存療法を行った高齢者骨盤骨折のうち,低エネルギー外傷で合併外傷のなかった33例(男性6例,女性27例,平均年齢80.3歳)に対して超音波検査を用いて下肢深部静脈血栓症(DVT)の発生状況を調査し,性別,年齢,BMI,骨折型,併存疾患,抗凝固薬・抗血小板薬内服の有無,骨折から入院までの期間と併せて検討した。結果は10例(30.3%)にDVTを認め,2例は近位型に進展しており,うち1例は肺塞栓症(PTE)を合併していた。統計学的検討では年齢が高くなるほどDVTの発生が有意に多かった。低エネルギー外傷で生じた高齢者骨盤骨折患者においてもVTEの発生が多く認められ,十分な予防が必要である。
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