Japanese
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特集 高齢者の脊髄損傷
高齢者脊髄損傷の臨床像
-―overview―
Traumatic spinal cord injury in elderly patients;overview
前田 健
1
Takeshi MAEDA
1
1総合せき損センター,整形外科
キーワード:
Traumatic spinal cord injury
,
Elderly patients
,
Prognosis
Keyword:
Traumatic spinal cord injury
,
Elderly patients
,
Prognosis
pp.267-271
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000365
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要旨:高齢化社会の到来に伴い,本邦では今や外傷性脊髄損傷患者の中心は60歳以上の高齢者となっている。なかでも転倒など軽微な外傷機転による非骨傷性頚髄損傷と,骨粗鬆症に伴う胸腰椎偽関節後の遅発性脊髄麻痺例の増加が目立っている。頚髄損傷の場合,筋力で評価する神経学的回復は必ずしも高齢者で劣っているわけでないが,たとえ筋力がある程度得られても,歩行やその他のADL機能は高齢者で著しく劣っており,また痛みの程度も高齢者で強い傾向にあった。このような高齢者におけるADL獲得の障害は退院後の自宅復帰を困難とし,結局は寝たきりに近い状態となるリスクを伴っている。様々な合併症に対処しながら長期のリハビリテーションを実行できる施設の充実が望まれる。
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