Japanese
English
論述
寛骨臼回転骨切り術後の血腫による合併症
Complication Due to the Hematoma after Rotational Acetabuler Osteotomy
武田 浩一郎
1
,
菊地 臣一
1
,
斎藤 昭
2
Koichiro Takeda
1
1福島県立医科大学整形外科
2公立相馬総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical College
キーワード:
complication
,
合併症
,
rotational acetabular osteotomy
,
寛骨臼回転骨切り術
,
hip joint
,
股関節
Keyword:
complication
,
合併症
,
rotational acetabular osteotomy
,
寛骨臼回転骨切り術
,
hip joint
,
股関節
pp.229-234
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902114
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抄録:寛骨臼回転骨切り術(以下RAOと略す)を行った67例74関節を対象に,術後血腫による合併症について検討した.血腫の測定は,CTを用いて股関節周囲筋の筋体積の術前後の差を求め,これを血腫量とした.合併症で最も頻度の高かったのは術後2日以内の下腹部痛で,24関節(32.4%)に認められた.次いで肝機能障害が23関節(31.1%)に,末梢神経障害が19関節(25.7%)に認められた.術後2日以内に下腹部痛を訴えた症例は,骨盤内腔の血腫量が47.3mlであった.これに対し,下腹部痛を認めなかった症例での骨盤内腔の血腫量は,18.5mlであり,下腹部痛を有した症例と比べて少なかった.術後2日以内の下腹部痛の発生には骨盤内腔に広がった血腫が関係していると考えられた.RAOによる合併症の関与因子として術後の血腫形成も念頭におく必要がある.
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