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特集 女性アスリートのサポートを考える
整形外科医の立場から
-―女性アスリートの身体的特徴とスポーツ外傷予防―
Musculoskeletal characteristics of female athletes and prevention of sports injury;orthopaedic surgeon’s perspective
武冨 修治
1
,
川口 航平
2
,
水谷 有里
2
,
緒方 徹
3
,
田中 栄
1
Shuji TAKETOMI
1
,
Kohei KAWAGUCHI
2
,
Toru OGATA
3
1東京大学大学院医学系研究科,整形外科学
2東京大学スポーツ先端科学連携研究機構
3東京大学大学院医学系研究科,リハビリテーション医学
キーワード:
Female athlete
,
Sports injury
,
Injury prevention
Keyword:
Female athlete
,
Sports injury
,
Injury prevention
pp.1495-1501
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002346
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要旨:女性アスリートの医学的サポートを行うにあたって整形外科的な女性選手の特徴を知っておく必要がある。女性アスリートでは,膝前十字靱帯損傷や大腿四頭筋の肉ばなれ,疲労骨折が男性より多く,一方ハムストリングの肉ばなれは少ないなど,外傷頻度には男女差がある。これは,女性アスリートの身体的特徴や身体の使い方に一因がある。女性アスリートは男性に比べて体格が小さく,筋力が弱く,ハムストリングと大腿四頭筋の筋力比(H/Q比)が小さい。また,関節弛緩性が高く,バランス能力に優れている。脛骨後方傾斜角が大きい,Q角が大きくそのため膝の外反モーメントが大きいなどの解剖学的特徴も有している。ジャンプ着地動作中の膝の外反角度が大きいことや股関節や膝屈曲角度が小さいことなどは,前十字靱帯損傷をはじめとする下肢の外傷リスクの増大に関連している。女性アスリートのスポーツ外傷発生予防のためには,女性アスリートに合わせた予防トレーニングが必要である。
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