特集 頭痛・めまい・しびれ・疼痛―慢性化のメカニズムと治療
Overview:commonな症状が慢性化するメカニズムに迫る
整形外科医の立場から
山下 敏彦
1
1札幌医科大学医学部整形外科学講座
キーワード:
運動器
,
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
Keyword:
運動器
,
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
pp.1205-1209
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_1205
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Summary
▪腰痛など運動器の慢性疼痛の有病率は高い.
▪運動器疼痛は,メカニズムから侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛に大別される.
▪侵害受容性疼痛は,組織の炎症,不安定性,筋緊張・虚血などにより慢性化する.
▪神経障害性疼痛の慢性化のメカニズムとして,末梢神経における異所性発火や交感神経の関与,脊髄後角における二次ニューロンの受容体活性化,一次ニューロンの終末発芽,グリア細胞の活性化などによる中枢性感作があげられる.
▪心理・社会的要因の関与や脳内鎮痛メカニズムの機能低下などにより,疼痛はさらに難治化する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021