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特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)
高齢者の骨性脊柱管狭窄を伴わない頚椎症性脊髄症に対する椎弓間開窓式脊髄除圧術の検討
Outcome of Cervical Decompressive Fenestration for Elderly Patients with Cervical Myelopathy without Developmental Spinal Canal Stenosis
大田 耕司
1
,
井形 高明
1
,
加藤 真介
1
,
山田 秀大
1
Koji Ota
1
1徳島大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, The Univesity of Tokushima
キーワード:
Cervical spondylotic myelopathy
,
頚椎症性脊髄症
,
Elderly
,
高齢者
,
Lordosis
,
前弯
Keyword:
Cervical spondylotic myelopathy
,
頚椎症性脊髄症
,
Elderly
,
高齢者
,
Lordosis
,
前弯
pp.429-433
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902150
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抄録:高齢者の頚椎症性脊髄症には,骨性脊柱管狭窄を伴わず,脊髄後方からの頚椎前弯増強に伴い,肥厚した椎弓上縁とたくれ込んだ黄色靱帯が主因となり発症するものが少なくない,このような症例に対し椎弓間開窓式脊髄除圧術を適応し,2年以上経過観察した10例(開窓群)の臨床症状,術後成績を,同時期に手術した棘突起縦割式脊柱管拡大術34症例(縦割群)と比較した.術前臨床症状は,開窓群では急性に増悪するものが多く,単純X線上,頚椎前弯が大きかった.MRI上,最大狭窄部位は開窓群では縦割群より高位に位置するものが多く,最大狭窄部位での脊髄横断面積は有意に大きかった.日本整形外科学会頚髄症治療判定基準の術後改善率は,退院時には開窓群が有意に高かった.また,改善率は術後平均5年の経過観察時でも維持されていた.以上の結果より,高齢者に対する本術式は病態に即した術式であり,長期にわたって成績も維持されうると考えられる.
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