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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅰ.末梢神経再生の基礎
末梢神経再生におけるextrinsic growthとハイブリッド型人工神経の開発
Extrinsic growth in peripheral nerve regeneration and research and development of hybrid artificial nerve conduit
上村 卓也
1
,
横井 卓哉
2
,
高松 聖仁
3
,
中村 博亮
4
Takuya UEMURA
1
,
Takuya YOKOI
2
,
Kiyohito TAKAMATSU
3
,
Hiroaki NAKAMURA
4
1JR大阪鉄道病院,整形外科
2清恵会病院,整形外科
3淀川キリスト教病院,整形外科
4大阪市立大学大学院医学研究科,整形外科学
キーワード:
Schwann cell
,
Macrophage
,
iPS cell
Keyword:
Schwann cell
,
Macrophage
,
iPS cell
pp.479-484
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002114
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要旨:末梢神経は神経細胞体と軸索,髄鞘(Schwann細胞)から構成され,末梢神経が損傷を受けるとそれぞれの場所から神経修復が開始される。軸索における神経再生(extrinsic growth)ではSchwann細胞とマクロファージが重要な役割を担っており,互いに密接に関わり連携協力している。Schwann細胞は神経再生のフェーズに応じて,分化した成熟型から未分化な修復型へとその形態をダイナミックに変化させている。炎症を惹起するマクロファージは軸索再生の過程において,debrisのクリアランス,微小血管形成,修復型Schwann細胞の分化,再髄鞘化に作用している。人工神経による神経再生は自家神経移植ほど万全ではないが,ヒトiPS細胞ハイブリッド型人工神経は免疫不全ラットにおいて末梢神経再生を促進させた。細胞付加によるextrinsic growthを利用したハイブリッド型人工神経によって,末梢神経再生は促進される。
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