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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅰ.末梢神経再生の基礎
神経細胞体におけるintrinsic growth
Intrinsic growth of the neuron
大村 威夫
1
Takao OMURA
1
1浜松医科大学,整形外科
キーワード:
Intrinsic growth
,
Conditioning effect
,
Neuron
Keyword:
Intrinsic growth
,
Conditioning effect
,
Neuron
pp.473-478
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002113
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要旨:末梢神経では神経損傷後,regeneration associated genes(RAGs)と呼ばれる数多くの神経再生関連遺伝子を共発現し,軸索再生を可能とする。損傷神経末梢断端におけるSchwann細胞,または脱神経支配を受けた支配筋と異なり,損傷された神経の細胞体は長期にわたりその再生力を維持し,RAGsの発現は加齢の影響をほぼ受けない。ただしその軸索伸長は1日1mmと緩徐であるため,より効率良い神経再生には軸索再生を加速させる必要がある。末梢神経においては,損傷を受けた神経細胞は励起状態となり,のちにさらなる損傷が加わると軸索再生が著しく促進され,この現象はconditioning effectと呼ばれ,conditioning effectにより神経損傷から軸索再生までの時間は短縮し,軸索伸長速度が3~5倍に増加し,再生軸索数を増加させる。Conditioning effectのメカニズムの解明が末梢神経再生の鍵とされている。
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