Japanese
English
特集 肘関節鏡視下手術のテクニック
肘後方障害に対する肘関節クリーニング手術
Arthroscopic treatment for posterior elbow impingement in baseball players
山崎 哲也
1
Tetsuya YAMAZAKI
1
1横浜南共済病院,スポーツ整形外科
キーワード:
Elbow arthroscopy
,
Posterior elbow impingement
,
Osteophyte on the posterior olecranon
Keyword:
Elbow arthroscopy
,
Posterior elbow impingement
,
Osteophyte on the posterior olecranon
pp.385-395
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002090
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:肘後方インピンジメント障害は,投球時の肘外反・伸展ストレスの繰り返しにより生じるvalgus extension overload syndrome(VEOS)の一つであり,肘関節後方部における骨・軟骨性の衝突や剪断力により発生する病態である。診断は,肘伸展強制や肘伸展位付近での外反強制などの疼痛誘発テストによる後方部痛の再現と単純X線像やヘリカルCTで肘頭先端の骨棘や遊離体形成の確認にて行う。治療に際しては,全身的な身体機能評価に基づく運動療法が原則であるが,保存的治療無効例に対しては鏡視下クリーニング手術が適応となる。手術に際しては,術者が自由に肢位を調節でき,最大伸展位や深屈曲位での鏡視および処置も可能となる腹臥位が有用と考える。肘後方インピンジメント障害の病態に関しては,尺側側副靱帯(UCL)機能不全との関連や軟骨損傷など解明されていない問題点はあるが,治療に関しては,鏡視下手術にて良好な術後成績が得られ,推奨すべき手術手技と考える。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.