連載 成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・30
肘関節
菅田 耕
1
,
帖佐 悦男
2
1国立病院機構都城病院整形外科
2宮崎大学医学部整形外科
pp.483-485
発行日 2013年5月25日
Published Date 2013/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102703
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診断のポイント
医療面接(問診)による受傷状況の確認,症状の出現時期,腫脹部位,詳細な圧痛部位の確認を行う.小・中学生などの骨端線が閉鎖していない時期には筋・腱実質ではなく,骨端核障害や裂離骨折などとして発症することが多い.本症例のように,X線上明らかな異常所見を認める場合は診断に難渋することはないが,骨端障害や転位の少ない裂離骨折などでは健側との比較が重要となる.また,tangential view(肘関節45°屈曲位正面像)は上腕骨小頭離断性骨軟骨炎や内側側副靱帯起始部裂離骨折・内側上顆骨軟骨障害の診断に有用である.内側側副靱帯障害や上腕骨内側上顆回内屈筋群付着部に由来する障害などでは誘発テスト(外反ストレステスト,回内筋群の抵抗テスト)が重要となる3).さらに必要に応じて超音波検査,CT,MRIなども行う必要がある.
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