連載 成長期のスポーツ外傷・障害と落とし穴・32
肘関節
大倉 俊之
1
,
帖佐 悦男
2
1県立日南病院整形外科
2宮崎大学医学部整形外科
pp.725-728
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408102773
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
診断のポイント
1) 左上肢から転落して受傷し,肘関節から前腕の著しい腫脹と肘関節の自動運動困難を認めた.
2) 肘関節X線撮影は,正側2方向撮影が基本である.しかし,受傷直後で脱臼を伴っている場合は困難であるが,より詳細な観察には4方向撮影が望ましい.本症例では,X線検査で左肘後方脱臼と診断した.本症例は17歳であり,骨端線はほぼ閉鎖していた.しかし,成長期の肘関節の外傷で軟骨成分が多い場合には,骨折の正確な診断のために健側のX線像と比較する必要がある.
3) より詳細な骨折および軟部組織損傷の評価には,CT,MRIが有効である.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.