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特集 軟部肉腫の治療update
境界悪性(中間群)の軟部腫瘍に対する治療戦略
Treatment strategies for intermediate soft tissue tumors
山岸 哲郎
1
,
畠野 宏史
1
Tetsuro YAMAGISHI
1
1新潟県立がんセンター新潟病院,骨軟部腫瘍・整形外科
キーワード:
Intermediate soft tissue tumors
,
Treatment
,
Surgery
Keyword:
Intermediate soft tissue tumors
,
Treatment
,
Surgery
pp.271-278
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002060
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要旨:中間悪性軟部腫瘍として統一された治療戦略はないが,いずれも基本的には手術が推奨される。異型脂肪腫様腫瘍/高分化型脂肪肉腫は四肢発生例では致死的とならず,追加切除も可能なことが多いため初回治療では辺縁切除も許容される。後腹膜発生では広範切除が推奨される。隆起性皮膚線維肉腫では浸潤傾向に応じた切除縁を検討する必要があり,広範な皮膚欠損となる場合には軟部組織再建を要することもしばしばある。孤発性線維性腫瘍は広範切除が基本となり,術中出血リスクを評価し血管塞栓術も考慮する。デスモイド型線維腫症には自然退縮例があり,近年,wait and seeと呼ばれる慎重な経過観察が基本となる。手術は痛みや機能障害の恐れがある症例に対して考慮するが,辺縁切除と広範切除の再発率に差はないため機能損失がない程度に腫瘍遺残のない切除を心がけることが推奨される。いずれの腫瘍にも放射線治療や化学療法に確立されたものはない。
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