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特集 軟部肉腫の治療update
軟部肉腫に対する粒子線治療
Particle therapy for soft tissue sarcoma
出水 祐介
1
Yusuke DEMIZU
1
1兵庫県立粒子線医療センター附属神戸陽子線センター,放射線治療科
キーワード:
Proton therapy
,
Carbon ion therapy
,
Soft tissue sarcoma
Keyword:
Proton therapy
,
Carbon ion therapy
,
Soft tissue sarcoma
pp.263-270
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002059
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要旨:粒子線(陽子線・重粒子線)は,その優れた物理特性により,周囲の正常組織への線量は低く保ったまま,腫瘍へ高線量を照射することができる。粒子線治療の骨軟部肉腫に対する有用性はこれまで多数報告されてきたが,本邦における多施設共同後ろ向き研究の結果が先進医療会議で報告され,その結果,2016年に重粒子線治療が,2018年に陽子線治療が保険適用となった。軟部肉腫のみのエビデンスについては,まだ十分とはいえないが,有望な結果が報告されており,今後のエビデンス集積が期待される。消化管が近接する腫瘍を根治的に治療するためにはスペーサー留置が必要だが,従来のスペーサーの問題点を解決した吸収性スペーサーが開発され,治験を経て,2019年にスペーサー留置術とともに保険収載された。軟部肉腫に対する粒子線治療は,医療技術・医療制度の両面で進歩を続けており,多くの患者がそのメリットを享受できる時代が来たといえる。
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