Japanese
English
解剖を中心とした脳神経手術手技
眼窩内腫瘍へのアプローチ
Surgery of the Orbital Tumor
吉本 智信
1
Satonobu YOSHIMOTO
1
1東京大学脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
Lateral approach
,
Orbital anatomy
,
Orbital tumor
,
Surgery
,
Transcranial approach
Keyword:
Lateral approach
,
Orbital anatomy
,
Orbital tumor
,
Surgery
,
Transcranial approach
pp.7-13
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202523
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I.はじめに
眼窩内腫瘍は,脳外科医により経頭蓋的に,また,眼科医により前方あるいは外側よりアプローチされてきた.さらに,両分野において顕微鏡下での手術が一般的なテクニックとなり,手術器械の改良,診断技術の進歩とあいまって,今日まで,その局在および性質のために外科的に全摘出することが困難であった疾患が,外科的治療の対象となってきている.一方,形成外科の進歩に伴い,眼窩という,顔貌の重要構成物を取り扱う以上,単に病巣を摘出するだけでなく,美的な意味での顔面の再形成を念頭において,外科的治療を行う必要が生じている.さらに,眼窩は,頭蓋内と視神経管および上眼窩裂にて交通し,そこに眼球運動を支配する細かい神経が存在する関係上,両眼視を含んだ視機能維持もはからなければならない.幸いなことに診断機械の進歩により術前の正確な局在診断が可能となり,性質の診断もかなりの程度可能となってきた.ここでは,解剖に基づいた筆者の所見を述べたい.
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