Japanese
English
特集 軟部肉腫の治療update
軟部肉腫のゲノム医療とバイオマーカーに基づいた新規治療戦略
Genomic medicine and new treatment strategies based on biomarkers for soft tissue sarcoma
中田 英二
1
,
藤原 智洋
1
,
国定 俊之
1
,
尾﨑 敏文
1
,
平沢 晃
2
,
二川 摩周
2
,
遠西 大輔
3
,
冨田 秀太
3
,
久保 寿夫
4
,
宮本 理史
5
Eiji NAKATA
1
,
Akira HIRASAWA
2
,
Daisuke ENNISHI
3
,
Toshio KUBO
4
,
Masashi MIYAMOTO
5
1岡山大学病院,整形外科
2岡山大学大学院医歯学総合研究科,臨床遺伝子医療学
3岡山大学病院,ゲノム医療総合推進センター
4同上,腫瘍センター
5同上,薬剤部
キーワード:
Comprehensive genomic profiling
,
Sarcoma
,
Multiplex gene panel test
Keyword:
Comprehensive genomic profiling
,
Sarcoma
,
Multiplex gene panel test
pp.247-262
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002058
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要旨:がんゲノム医療では,がん遺伝子パネルで同定した遺伝子変異に基づいて臓器横断的に薬剤を選択する精密医療が行われる。軟部肉腫ではTP53,Rb1,CDKN2A/Bなどの変異が最も多く報告されているが,各組織型で特徴的な遺伝子異常が多く,実臨床では組織型と,遺伝子パネルで検出された遺伝子の病的バリアントなどのバイオマーカーに応じた治療戦略を立てる必要がある。現在保険収載されているがん遺伝子パネル検査は3つあり,薬剤選択につながるactionable変異に対しエビデンスによる分類に基づき,臨床試験などが推奨される。臨床試験を網羅したデータベースも構築されつつあるが,すべての試験の把握は困難である。また,actionable変異が同定されても,希少がんである肉腫は承認薬が少ない。今後,新規抗がん剤の開発や臨床試験の増加などの問題を解決すべきである。
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