Japanese
English
特集 軟部肉腫の治療update
軟部肉腫に対する補助化学療法
Adjuvant chemotherapy for soft tissue sarcoma
鈴木 賀代
1
,
安田 剛敏
1
,
渡邉 健太
1
,
金森 昌彦
2
,
川口 善治
1
Kayo SUZUKI
1
,
Masahiko KANAMORI
2
1富山大学医学部,整形外科
2同上,看護学科人間科学Ⅰ講座
キーワード:
Non-round cell soft tissue sarcoma
,
Adjuvant chemotherapy
,
Adriamycin plus ifosfamide
Keyword:
Non-round cell soft tissue sarcoma
,
Adjuvant chemotherapy
,
Adriamycin plus ifosfamide
pp.231-237
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002056
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要旨:軟部肉腫の治療の中心は,適切な切除縁による広範切除術であるが,一旦,再発や転移をきたすと,予後は著しく不良となる。治療成績の向上に向け,周術期化学療法の有効性が長らく検証されてきたが,軟部肉腫の希少性から,対象や治療方法が統一された大規模臨床試験は限定的で,有効性はほとんど示されていない。近年,アントラサイクリン系薬剤とイホスファミドによる併用化学療法(AI療法)の大規模臨床試験の結果が報告され,四肢・体幹の深部発生,腫瘍サイズが5cm以上の高悪性度軟部肉腫に対するAI療法の有効性が示された。その結果を踏まえ,『軟部腫瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版)』には,切除可能な高悪性度軟部肉腫に対し,補助化学療法としてAI療法が条件つきで推奨された。補助化学療法の対象が明確化され,AI療法が標準補助療法と位置づけられたことで,軟部肉腫治療の体系化が進み,治療成績の向上が期待される。
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