Japanese
English
特集 DISHの臨床
びまん性特発性骨増殖症(DISH)における肋椎関節変化と呼吸機能の関連
Relationship between Costovertebral Joint Change and Respiratory Function in Patients with Diffuse Idiopathic Skeletal Hyperostosis(DISH)
安田 剛敏
1
,
鈴木 賀代
1
,
箭原 康人
1
,
渡邉 健太
1
,
川口 善治
1
Taketoshi YASUDA
1
,
Kayo SUZUKI
1
,
Yasuhito YAHARA
1
,
Kenta WATANABE
1
,
Yoshiharu KAWAGUCHI
1
1富山大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, University of Toyama
キーワード:
びまん性特発性骨増殖症
,
diffuse idiopathic skeletal hyperostosis
,
肋椎関節
,
costovertebral joint
,
呼吸機能
,
respiratory function
Keyword:
びまん性特発性骨増殖症
,
diffuse idiopathic skeletal hyperostosis
,
肋椎関節
,
costovertebral joint
,
呼吸機能
,
respiratory function
pp.661-666
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201172
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はじめに
びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)は,1950年にForestierら4)が脊椎周囲を中心として全身の靭帯に骨化をきたす原因不明の疾患を強直性脊椎肥厚症(ankylosing spinal hyperostosis:ASH)と名づけて報告した疾患の総称である.1976年にResnickらが,脊柱以外の靭帯にも骨化が生じていることより,DISHとすることを提唱した11).脊椎に対する診断基準は,①少なくとも連続4椎体以上の前外側面で骨化を認める,②椎間板腔が比較的保たれている,③椎間関節が保たれており,仙腸関節に骨性強直を認めないことである11).
DISHでは,広範な脊椎強直による特徴的な骨折17)や骨増殖による隣接した臓器の圧迫12)が報告され,手術が必要となる病態も多い.DISH例に対する手術では,術後呼吸器合併症の頻度が高く,手術での死亡率が高いと報告されている15).その原因はいまだ不明であるが,DISHにおける脊椎強直は胸椎に多く,胸椎は肋骨と胸骨で胸郭を構成することより,胸椎周辺の骨化による胸郭運動制限が関連している可能性があると推察した.
本研究の目的は,胸椎に骨性強直を示すDISHにおける強直高位,肋椎関節の変化,胸郭運動を検討し,呼吸機能との関連性を明らかにすることである.
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