Japanese
English
経験と考察
進行性軟部肉腫に対する二次化学療法の有効性と安全性
Efficacy and safety of second-line chemotherapy for advanced soft tissue sarcomas
鈴木 賀代
1
,
安田 剛敏
1
,
渡邉 健太
1
,
金森 昌彦
2
,
木村 友厚
1
K. Suzuki
1
,
T. Yasuda
1
,
K. Watanabe
1
,
M. Kanamori
2
,
T. Kimura
1
1富山大学整形外科
2富山大学人間科学1
1Dept. of Orthop. Surg., University of Toyama, Toyama
キーワード:
advanced soft tissue sarcoma
,
second-line chemotherapy
,
pazopanib hydrochloride
,
trabectedin
,
eribulin mesilate
Keyword:
advanced soft tissue sarcoma
,
second-line chemotherapy
,
pazopanib hydrochloride
,
trabectedin
,
eribulin mesilate
pp.321-325
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_321
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は じ め に
軟部肉腫(soft tissue sarcoma:STS)は,まれな悪性腫瘍であり,全悪性腫瘍の1%未満である1).平滑筋肉腫,滑膜肉腫や脂肪肉腫など多くの紡錘形細胞肉腫を含む非円形細胞肉腫の治療は,化学療法や放射線治療の有効性についていまだ確立されていないため,手術的治療が基本となる.しかし,切除不能例や再発・転移をきたした進行例に対しては,化学療法が導入されることがある.われわれは,初診時に遠隔転移を有する症例,または原発巣に対する手術後に再発や転移をきたした進行例に対して,これまでドキソルビシン(doxorubicin:ADR)やイホスファミド(ifosfamide:IFO)を含むレジメンであるmesna,adriamycin,ifosfamide,dacarbazine療法(MAID療法)2)を主に施行してきた.2012年にパゾパニブ塩酸塩(pazopanib hydrochloride:PZP)がSTSに適応承認されてから,今日までにトラベクテジン(trabectedin:TRB)とエリブリン(eribulin:ERI)が適応となっている.当科では,2013年以降はADRやIFOでの治療を一次化学療法とし,その後の残存病変に対して,積極的に新規薬剤(PZP,TRB,ERI)を二次化学療法として使用している.本研究の目的は,STSに対する二次化学療法の有効性と安全性について検討することである.
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