臨床
下垂位外旋制限に対する肩甲下筋・三角筋間への生理食塩水注入法の効果
鈴木 一瑛
1
,
生沼 武男
1
,
藤井 俊英
1
,
高橋 康人
1
,
石川 裕也
1
,
望月 友晴
2
1佐渡総合病院,整形外科
2新潟大学,整形外科
キーワード:
Frozen shoulder
,
Ultrasound-guidedshoulder injection
,
Normal saline
Keyword:
Frozen shoulder
,
Ultrasound-guidedshoulder injection
,
Normal saline
pp.935-937
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000063
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過去の報告から下垂位外旋(以下,外旋)制限の責任病巣は腱板疎部の烏口上腕靱帯(CHL)の肥厚である。一方,肩甲下筋と三角筋間の滑動性低下も外旋制限と肩前面痛の原因である可能性がある。外旋制限と肩前面痛のある症例に対し,肩甲下筋腱と三角筋間に生理食塩水を注入することで外旋角度と疼痛が改善するかを調査した。対象は2015 年10 月から2016 年2 月に当科を受診し外旋制限と肩前面痛を認めた凍結肩freezing phase 10 例10 肩(男性5 例,女性5例,平均62.7歳,右5肩,左5 肩)とした。方法は,エコーガイド下に肩甲下筋表層と三角筋間に烏口突起基部にかけて生理食塩水10 ml を注入し,注入前後で外旋角度と疼痛VASスコアを比較した。結果,下垂位外旋角度は平均26°が45°に,VASスコアは中央値10 が0.5に,いずれも有意に改善した。外旋制限と肩前面痛の症例に本法は有効な治療法となりうる。
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