Japanese
English
特集 整形外傷治療 update 2021
初療における四肢骨盤外傷の緊急手術
Emergency surgery for extremity and pelvic trauma at ER
矢倉 拓磨
1
Takuma YAGURA
1
1関西医科大学附属病院,高度救命救急センター
キーワード:
Emergency surgery at ER
,
Open fracture
,
Pelvic fracture
Keyword:
Emergency surgery at ER
,
Open fracture
,
Pelvic fracture
pp.1179-1187
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001865
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:整形外傷で緊急手術の適応となるのは,開放骨折,不安定骨盤骨折,コンパートメント症候群,動脈損傷,脊髄損傷である。救命を優先するために骨折の治療を後回しにするのではなく,全身状態の改善のために積極的に手術介入する。開放骨折の初期対応で重要なのは,可及的早期の抗菌薬投与,debridement,大量洗浄であり,全身状態が悪い場合には初療で行う。骨盤骨折は死に直結する骨折であるため,救命が最優先であり迅速な止血で輸血量を減らし凝固能を破綻させないことが重要である。コンパートメント症候群は激烈な疼痛から疑い,動脈圧波形モニターを利用した筋区画内圧測定を行う。診断すれば初療で緊急筋膜切開する。慌ただしい初療においてもまずは冷静に正しく診断し,救命,救肢のための優先順位を考えた手術計画を立てることが重要である。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.