視座
手の新鮮外傷の初療
佐藤 孝三
1
1日本大学医学部整形外科学教室
pp.109
発行日 1974年2月25日
Published Date 1974/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904949
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日本で手の外科に関心をもつ人がふえ出してから,まだやつと20年といつてよいであろう.日本手の外科学会が1957年に発足してから今年で約15年である.しかし,その間に手の外科は目覚しく進歩発展し,またいちじるしく普及した.今日では,少くとも整形外科医である限り,手の外科を特殊な分野と認めない者はあるまい.
しかしその特殊性を認める意味が,複雑な手の構造や機能と,その障害を修復する際の再建手術のむずかしさなどに主眼がおかれていて,むずかしい症例は専門家に任せればよいという気持に連つているように思われる.それはそれで悪くないのであるが,どうしても専門家ばかりに任せておけないのが,手の新鮮外傷の初療である.
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