Japanese
English
特集 整形外科領域の希少疾患診療
低ホスファターゼ症
Hypophosphatasia
鬼頭 浩史
1
Hiroshi KITOH
1
1あいち小児保健医療総合センター,整形外科
キーワード:
Hypophosphatasia
,
Mineralization defect
,
Enzyme replacement therapy
Keyword:
Hypophosphatasia
,
Mineralization defect
,
Enzyme replacement therapy
pp.1055-1061
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001835
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:低ホスファターゼ症は組織非特異的アルカリフォスファターゼの欠損により,骨組織において類骨が増加し,骨X線検査で骨の低石灰化やくる病様所見を呈する遺伝性骨疾患である。本症は特徴的な骨X線所見(骨の低石灰化,長管骨の変形,くる病様の骨幹端不整像など)および生化学検査(血清ALP低値)から臨床的に診断されるが,遺伝子検査により診断が確定される。症状の出現時期により6つの病型に分類されるが,本邦では出生時より症状が明らかな周産期型が多い。周産期重症型は全身の骨石灰化障害に伴う呼吸不全のため,生命予後が悪い。周産期良性型は胎生期より四肢の弯曲を呈し,骨形成不全症との鑑別が必要となる。本症に対する根本的治療法として,ヒト・リコンビナントALP製剤であるアスホターゼアルファによる酵素補充療法が開発された。本法により骨石灰化が促進され,重症型患者の生命予後が劇的に改善するとともに運動機能も著しく向上した。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.