Japanese
English
特集 整形外科医の職業被曝
X線透視下脊椎手術における術者の職業被曝の現状と低減対策
Radiation exposure to the surgeon during fluoroscopic spinal procedure
山下 一太
1
,
玉置 康晃
2
,
中島 大生
1
,
後東 知宏
2
,
東野 恒作
1
,
西良 浩一
1
Kazuta YAMASHITA
1
,
Yasuaki TAMAKI
2
1徳島大学大学院,運動機能外科学(整形外科)
2徳島大学病院,クリニカルアナトミー教育・研究センター
キーワード:
Radiation exposure
,
Scatter radiation
,
Spine surgery
Keyword:
Radiation exposure
,
Scatter radiation
,
Spine surgery
pp.771-779
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001751
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:昨今の低侵襲医療の発展は目覚ましく,それに伴ってX線透視の使用量は増える傾向にある。そのため,医療者の職業被曝量も増加してきており,その手技内容上,特に脊椎外科領域では手や眼への被曝量は多く,被曝による悪影響を懸念している医療者は少なくない。未固定遺体を患者に模して,X線透視下の脊椎手術を再現した。直接線は,遺体の体幹部を通過後,体内で吸収・散乱して150分の1以下に減衰するため,脊椎正面像を見る際は照射線源を下にしたunder tableが望ましい。脊椎側面像を見る際の被曝線量は患者への直接線,医療者への散乱線ともに非常に大きく,under tableと比較すると30倍以上となる。また側面透視使用時は照射線源側の被曝量が非常に大きくなるため,なるべく対側に立つことが望ましい。整形外科医,その中でも特に脊椎外科医は自身や周囲の医療スタッフへの職業被曝を常に意識し,被曝量の低減に努めるべきである。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.