Japanese
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特集 脊椎疾患・関節疾患による慢性疼痛治療 update
関節疾患による慢性疼痛の手術療法
Operative management of chronic joint pain
杉村 夏樹
1
,
池内 昌彦
2
Natsuki SUGIMURA
1
,
Masahiko IKEUCHI
2
1幡多けんみん病院,整形外科
2高知大学医学附属病院,整形外科
キーワード:
Chronic joint pain
,
Knee osteoarthritis
,
Operative treatment
Keyword:
Chronic joint pain
,
Knee osteoarthritis
,
Operative treatment
pp.1363-1369
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001060
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要旨:慢性の関節痛の中で変形性膝関節症(膝OA)は疾患頻度が高く幅広く研究されており手術療法も発達している。単一コンパートメントのOAで不安定性がない場合,活動性の高い若年者には骨切り術を,活動性の低い高齢者には単顆型人工関節手術(UKA)が適応となる。人工膝関節置換術(TKA)は複数コンパートメントの関節症を認める患者にも適応できる。それぞれ適応が異なるため成績の比較は困難であるが,TKAはUKAや骨切り術より長期的に安定している。UKA,骨切り術の残存コンパートメントの変性による痛みの再燃は再手術に至る原因であり,手術適応を厳格にし,過矯正や矯正不足などの手術手技エラーを避けることが重要である。全コンパートメントを置換するTKAにおいても遷延性術後疼痛が問題となっており,膝局所の滑膜炎,神経障害性疼痛の要素,神経感作などが原因と考えられ,原因を究明し治療につなげることが今後の課題である。
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