高位脛骨骨切り術と脛骨顆外反骨切り術の臨床成績比較

Comparison of clinical outcome between high tibial osteotomy and tibial condylar valgus osteotomy

要旨：本研究の目的は，同一施設における高位脛骨骨切り術（HTO）と脛骨顆外反骨切り術（TCVO）の臨床成績を比較することである。対象は内側型変形性膝関節症に対して骨切り術を施行したHTO群27例30膝とTCVO群18例19膝である。術前の対象者属性，Kellgren-Lawrence（K-L）分類，内反・外反ストレス角，関節動揺角，術前および術後1年の関節可動域とKnee injury and Osteoarthritis Outcome Score（KOOS）を比較，検討した。TCVO群ではHTO群よりも年齢が高く，術前のK-L分類，内反ストレス角，関節動揺角が有意に高値であった。屈曲角度は術前後ともHTO群が大きく，TCVO群では術後に伸展角度が減少していた。KOOSは両群とも術前後で有意に改善したが，TCVO群の術後Symptom，Pain，ADLはHTO群よりも低かった。年齢や関節安定性など個々の病態に適した術式選択が重要である。