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経験
骨頭外反型や大腿骨転子貫通骨折と呼称される整復困難な転子部骨折についての破壊力学的考察
Fracture mechanical considerlation of irreducible penetrated trochanteric fracture of femur
佐藤 朗
1
,
湊 泉
1
,
野崎 あさみ
2
,
原 利昭
3
,
笹川 圭右
3
,
尾田 雅文
4
Akira SATO
1
,
Asami NOZAKI
2
,
Toshiaki HARA
3
,
Masafumi ODA
4
1新潟臨港病院,整形外科
2新潟万代病院,整形外科
3新潟工科大学,工学部
4新潟大学,地域創生推進機構
キーワード:
Fracture mechanics
,
Penetrated trochanteric fracture of femur
,
Tensile stress
Keyword:
Fracture mechanics
,
Penetrated trochanteric fracture of femur
,
Tensile stress
pp.1713-1719
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001532
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要旨:骨頭外反型や転子貫通骨折と呼称される特殊な転子部骨折がある。その特徴は大転子と小転子の頂部を結ぶ骨折線を認め,通常の転子部骨折に認められる転子間窩の骨折を認めないことである。5年間に手術を行った転子部骨折267例中2例に本骨折を認めた。本骨折の3D-CTを破壊力学的に検討した。通常の転子部骨折では転倒し大転子部を強打すると,転子間窩外側部に圧縮応力が集中し骨折が発生する。ほぼ同時に頚部基部前内側部付近が引張応力により骨折していくと考えられる。本骨折では良好な骨質で大転子部に大きな衝撃負荷が加わると,頚部基部前内側部に引張応力により骨折が発生する。この骨折は,引張応力が集中する突出部(後方は小転子頂部から転子間稜,前方は転子間線)に沿って裂けていき,大転子頂部に達したと考えられる。衝撃的負荷による引張応力によって発生し完成された骨折であり,圧縮応力による転子間窩の骨折は発生しなかったと考えられる。
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