骨折(四肢・脊椎脊髄外傷)の診断と治療(その1)
骨盤・下肢 大腿骨近位部(頸部・転子部) 腸骨大腿靱帯と骨折発生メカニズムから考える大腿骨転子部骨折とその整復法
佐藤 朗
1
1新潟臨港総合病院 整形外科
キーワード:
メカニカルストレス
,
関節靱帯
,
股関節部骨折
,
内固定法
,
大腿骨
,
大腿骨頸部骨折
,
X線CT
,
腸骨
,
三次元イメージング
,
腱-骨付着部
Keyword:
Fracture Fixation, Internal
,
Femoral Neck Fractures
,
Femur
,
Hip Fractures
,
Ilium
,
Ligaments, Articular
,
Stress, Mechanical
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.86-92
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2017077770
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2012~2015年に入院し3次元CTを撮影した転子部骨折のうちAO分類A1、A2で骨接合術を行った90例を、X線側面像で頸部が前方へ転位している(A)、骨片が合っている(N)、頸部が後方へ転位している(P)とし、骨折位置と靱帯付着部との位置関係を近位・付着部・遠位に分け、転位と整復の関係を検討した。転位方向、骨折位置は、A(付着部)13例、A(遠位)6例、N(付着部)18例、P(近位)11例、P(付着部)37例、P(遠位)5例であった。Pではキルシュナー鋼線でkapandji法に準じて整復した。A(遠位)では頸部骨片を前方から押すことで整復できた。Aで小転子が粉砕し、頸部骨片が細長く尖った粉砕型は非常に不安定で注意が必要であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016