Japanese
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特集 青少年野球における投球障害の現状と予防の歩み
成長期投球障害の特徴,診断と治療
-―肩関節―
Throwing shoulder injuries during the growth period
山崎 哲也
1
Tetsuya YAMAZAKI
1
1横浜南共済病院,スポーツ整形外科
キーワード:
Little leaguer’s shoulder
,
Glenoid
,
Osteochondritis dissecans
Keyword:
Little leaguer’s shoulder
,
Glenoid
,
Osteochondritis dissecans
pp.1133-1141
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001416
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要旨:成長期における肩関節の投球障害は,関節唇や腱板といった軟部組織ではなく,骨成熟過程に存在する骨端線および骨端核に生じることがほとんどである。骨端核周辺の骨端軟骨や骨端核の隙間である骨端線は,骨組織に比べ脆弱であり,投球動作に伴うストレスの被害を受けやすい。成長期に最も多い投球障害肩である上腕骨近位骨端線障害は,局所所見や単純X線像(両側比較が重要)で診断可能であり,投球禁止の安静のみでも比較的速やかに疼痛が消失する予後良好な疾患である。しかし発生要因として全身的な身体機能低下が関与しており,保存的治療における運動療法や投球フォームの指導は必須と考える。また肩甲骨関節窩の骨端核障害や成長期特有の肩甲骨関節窩における離断性骨軟骨炎は,まれな病態ではあるが,見逃されている可能性もあり,同病態の存在を踏まえて診断する必要がある。
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