両側上腕骨小頭に離断性骨軟骨炎を発症した両投げ野球選手の1例

A case of a double-throwing baseball player who developed osteochondritis dissecans on both humeral capites

要旨：右上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎（OCD）を発症後に左投げに転向し，9カ月後に左同部にOCDを発症した少年野球選手の1例を経験した。上腕骨小頭OCDの発症には外力による負荷のほかに内的要因も関与する症例があると考えられている。一側の肘にOCDを発症した症例では，内的要因と非利き手での不慣れな投球動作による外的要因により新たに投球側とした対側の肘にも早期にOCDを発症する可能性がある。上腕骨小頭OCDの発症後に投球側を交換することには慎重を期す必要がある。