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バードウォッチング
-―冬から春の鳥―
橘 俊哉
1
Toshiya TACHIBANA
1
1兵庫医科大学,整形外科
pp.983-983
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001372
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この原稿を書いている今,師走を迎え空気も冷たさを増してきています。そろそろ本学の横を流れる武庫川にも北からユリカモメが飛来します。もうすぐ白い群が川面に浮かぶのが見られるでしょう。冬は越冬のために多くの冬鳥がロシアなどの北方から日本列島へやってきます。河川敷を自転車で走っていると茶色い縞と斑点の入ったムクドリよりやや大きい鳥が等間隔に離れて地面を闊歩しているのが目につきます。ツグミです。日本には越冬のために来ていて,繁殖しないため鳴かず,そのために口をつぐむからツグミと名がついたと言われています。故郷の福井県では県の鳥に指定されています。北陸から大陸へ行き来するためによく見られるのでしょう。故郷の山にはツグミなどの観測のための渡り鳥観測センターがありました。そのツグミ達が日本に来てから雪のない太平洋側へ散らばって関西でも見られます。この地で故郷の鳥が見られることを不思議に思います。地中の虫などを餌にしており,一羽ずつ離れて暮らした方が餌の獲得に有利なのでしょう。
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